日経アーキテクチュア 2004年2月23日号 掲載

 二ツ井町がCMで工事費を33%削減


秋田県二ツ井町は、二ツ井町総合体育館の建設工事でCM方式による入札を導入。全22工種の合計で、一括発注方式で行った場合の設計金額よりも、工事費を約33%に削減できたことを明らかにした。

昨年12月8日に全工種の入札を実施し、19工種で落札者が決まったが、それ以外の工種では入札参加者が辞退するなどして不調に終わった。残りの工種については、指名会社を入れ替え、数度にわたって入札をやり直した。最後まで残っていた給排水衛生設備工事の落札者が2月5日に決定し、全工種の発注業務を終えた。

CM業務を担当したのは、秋田市の小野コンストラクション・マネジメント総合研究所(以下、小野CM総研)。同工事で設計・監理を行う小野建築研究所が昨年10月に設立した会社だ。 小野CM総研は同工事の設計金額を、従来の一括発注方式では約17億8170万円、 CM方式を導入すると約12億5700万円と試算していた。最終的な落札金額は約11億8980万円で、一括発注方式の場合に比べて約5億9190万円の削減効果があった。

小野 CM総研の小野泰太郎代表は、「1回の入札で落札者が決まるのが当たり前のように考えられているが、コストの高止まりを抑えるためには、そう簡単にはいかない。不調に終わる工種があっても、1円たりとも価格を上げない姿勢で粘り強く入札を繰り返していけば、落札者は決まる」と話している。

指名会社を入れ替える際、格付けランクを下げたり、県外に枠を広げたりすることは行わなかったという。