河北新報 2003年1月28日掲載

 公共事業を分離発注 新年度から試験導入 コスト透明化図る

 秋田県は県発注の公共工事に2003年度から、建物建築や設備などの工事を分離して発注する「CM方式を」試験導入すると、27日発表した。県の補助者となるコンサルティング会社などが設計や施工、契約を一元的に管理する方式で、建設コストや発注経緯を透明化させるのが目的。

 CM方式は民間で実例があるものの、公共工事では「市町村にわずかな実例があるだけで、都道府県レベルで導入されれば先進的」(国土交通省)という。

 従来の公共工事の発注は、ゼネコンなどが発注者から一括して請け負い、分野別に専門業者に下請けに出す方法が一般的。一方、CM方式の場合は分離発注で各工事の費用の内訳が明確になるのが特長。国交省が設置した有識者らによる研究会が昨年2月、公共事業への導入を目指して活用ガイドラインをまとめている。

 県はこれを基に、導入を入札契約制度改革の一環として位置付けてきた。対象となる公共工事は、元請けが下請け発注することが多い建築分野。県は本年度中にCM方式を導入する2003年度の工事を絞り込み、試行導入を目指す。

 県建設管理課は「コストの透明化が図れるほか、地元専門業者の育成につながる」と説明。寺田典城知事は「公的な運用は相当難しいが、まずはやってみて、いい例をつくりたい」と話している。

 秋田県内では、国交省の研究会と連携した六郷町が本年度、町発注の障害者福祉施設建設工事にCM方式を導入している。二ツ井町も2003年度から導入する予定。