日経アーキテクチュア 7月23日号 掲載
国交省のマネジメント技術活用検討会が選定 公共工事で3方式のCMを試行
国土交通省のマネジメント技術活用方式試行評価検討委員会(委員長:小林康昭足利工業大学教授)は、公共工事に民間企業のマネジメント技術を導入するための試行方式を決めた。先行して試行している工事で課題を検討し、来年度以降、同省の直轄工事で試行していく。ダムが次の対象工事に挙がっているが、規模や建築、土木に関係なく、実施してく方針だ。
優先的に試行するマネジメント業務は、発注者が専門工事会社などに直接発注することも想定している。マネジメント方式の違いによって、ゼネコンが専門工事会社などを統括する方式、マネジメント会社が専門工事会社などを統括する方式、マネジメント会社が設計・調達・施工を監理する方式の3方式を選定した。都道府県、政令指定都市、同省の地方整備局を対象にアンケート調査を実施し、発注者ニーズの高さに応じて決めた。
ゼネコンが統括する方式は、モニタリング調査中の中部地方整備局の清洲ジャンクション工事で採用した方式。総括会社と専門工事会社は元請けとして同等の立場だが、マネジメントを担当する統括会社がある程度の指示権限と責任を持つ。専門工事を分離発注した場合など、施工段階で工事間の調整・統括が必要な場合に有効だと見ている。
マネジメント会社が専門工事会社などを統括する方式も、同じ効果が見込める。ただし、マネジメント会社は施工せず、マネジメント業務に特化する。
三つ目の方式は、設計と施工の両面のマネジメントをマネジメント会社が担当する。技術的に難しい工事で、発注者に技術支援が必要な場合や、発注業務量が多くて対応しきれない場合などに適する。
来年4月から優先試行パターンを実施していくが、まだ検討課題が残っている。発注者との役割分担、マネジメント業務の内容、責任と権限、報酬の算定基準や評価方法など未決定の項目については、引き続き検討会で議論する。今年度末には中間まとめ案をつくる予定だ。