林政ニュース 第183号 平成13年10月24日(水) 掲載


 「秋田杉で街づくり」ネットが発足 CM方式で消費者と林家をつなぐ

 地域材をふんだんに使った住宅を、大手ハウスメーカーやゼネコンなどを通さず、直接消費者に提供するネットワークグループ「秋田杉で街づくり」が9月26日に発足し、秋田市文化会館で設立総会を開催した。設計、内装、塗装、サッシ、屋根、建具、家具、設備、木工事など、住宅建築に関するさまざまな分野から民間業者12社が参加しており、近く林業家も加わる予定。

 従来の「施主-元請業者-下請業者」の施工体制を排除して、公共工事で導入が進んでいるCM(Constructual Management)方式を採用しているのが特徴。CM方式は、各工事ごとに発注者が施工業者を選び、直接契約して分離発注する仕組みで、仕様や資材を発注者が自由に選択することができる。請負や流通段階での中間マージンがカットされてコストダウンが図れるほか、工事完了前に元請業者が倒産した場合のリスク回避につながるなどのメリットがある。

 同ネットは受注に当たって、部位や工種ごとに3社以上から見積りをとって施主に選んでもらうとともに、材料単価や加工費、手間賃、流通経費をオープンにして、建築費の中身について納得してもらうことにしている。

 このほか、木造住宅のよさや森林の機能などについて、一般の理解が広がるよう、県の助成(「街に秋田スギを」地産地消推進事業。13年度新規、県単)を活用しながら、セミナーや林業体験会などの開催にも取り組む。

 小野泰太郎代表((株)小野建築研究所代表取締役)の話「CM方式は、生産者が消費者とつながるシステムとして有効。将来は、林業家が施主と直接契約するシステムを実現して、林家が林業に意欲的に打ち込めるようにしたい」