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アキタビジネスジャーナル 1998年11月掲載
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CM方式を導入 専門業種の後継者育成も狙いの1つ
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若者がその産業で自分の人生を託そうという意欲のもてない産業はすたれていく。30数年、設計者の立場から建築業界を見て熟練作業を要する立場から職人の数が減少していくのをまざまざと感じる。この現状を打破する方策を4、5年前から考え、具体的な展開となったことから発表に踏み切った。CM(コンストラクション・マネージメント)という国内でも新しい方式。 |
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小野 ドイツなどヨーロッパでは伝統的にマイスター制度で専門職種の職人の生活が守られて、必然的に社会的な地位も高い地位にあります。その中で技や伝統は自立した、また独立した形で継承されますが、日本の場合はマイスターのようなシステムが確立されていないため、そういうヨーロッパのシステムを採り入れることができないかと考えたのです。日本で従来とられてきた発注形式は一括発注方式です。それを分離発注に変え、例えば木工事は大工さんにタイル工事はタイル職人に自立した形で発注します。それぞれが施主さんの直接契約にやりますから、今までとは違って仕事に対して意気込みが変わってきますし、責任とプライドを持った仕事になります。私の所では施主さんと専門職の人達とのコーディネイトをします。我々は専門職種の人達は知っています。そういう人達から見積りをとって契約する直接契約になりますから建築資材も直接メーカーから納入され、価格面で施主さんの希望にそうのではないかと思います。
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欧米ではCM方式発注は主流にある。今年からCM方式をスタートさせるために昨年から数回、専門業者を集めた勉強会を開催してきた。 |
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小野 一番CM方式の導入の根底にあるのは後継者の健全育成です。いくら私の方で設計図面を書いても、それを建ててくれる熟練労働者の方達がいないと具体化できません。今まで国内では採用されていないシステムですから、専門業者約16社と問題点などの勉強会を1年かけて行い、システムの理解を深めてもらいました。 |