5月12日快晴。

 今年は雨が少なく、5月の連休は竹の子があまり出ておらず、家族で楽しみにしていた竹の子採りは、見つけるのが容易ではなかった。目で探すより、足の先の感触で探さなければならないので大変。

 しかし「雨後の竹の子」とはよくいったものである。


 昼食の様子。新鮮な山の味覚を愉しむ
 幸い、連休過ぎから雨が続き、たっぷり水分を含んだ山林は、植林や竹の子採りには最も良い条件だった。

 前日の打ち合わせどおり、私は早朝6時すぎには家を出て、皆が来る一時間前より、杉の苗木や竹の子採りの準備に走りまわった。

 多少興奮気味。それは無理もない。

 私が若い頃に植林して以来、我が家では40年ぶりの植林となる。当時は、親類や家に従事している人たちが総出で植林していた。幼いとき、私も一人前に手伝った記憶がある。今は人手の問題で、植林まではなかなか手が回らない。


 記念植樹。2001年5月12日
 しかし、この知識集約型的な社会においては、普段の生活にはない、汗にまみれて無心に立ち向かう山仕事は、ストレス解消になるのかもしれない。レジャー感覚で楽しんでもらってもいい。

 日々めまぐるしく変化する社会で、100年の長い年月で物事を考えて行動することの価値観を、「植林」という素朴な作業から見出してもらいたい。きっと、今後の人生の大きな宝物になるだろう。

 こういった形で植林や山仕事を行うことは、近年問題になっている森の公益性を、山林所有者だけでなく社会全体で考えるといった意味で、良い機会になると思う。

 自然環境の保全は、健康的な社会を創造するために必要不可欠だ。森が豊かであること。それが何よりです。


 採れたての竹の子を前に記念撮影

2001.5.15