CMの発端的状況

 私は学者でもなく評論家でもありませんので、データを駆使して話をするのではなく、実践を通じて、CM(Construction Management)方式が立ち上がった経緯、これから実際にCM方式で建築を進める方向性等について、話したいと思います。

 CM方式が、ここ近年非常に広まってきています。私たちは、平成8年に勉強会をはじめ、実際のCM方式の立ち上げは平成9年でした。当時、全国でも1社か2社ぐらいでしたが、その後急速な広がりを見せ、いまだと何千という数になっているのではないかと見ています。しかし、健全な形でCM方式が定着していかないと、恐らくいまの建設業界が抱えている問題以上に大きな問題になるのではないかと心配しています。平成13年4月にCM方式の協会が立ち上がりましたが、その中の5つの委員会でいま活動していますが、その中での一番大きなテーマとして、倫理規程に取り組んでいます。

 国土交通省においても、平成12年12月、CM方式研究会が立ち上げられ、研究会が開かれています。私も何度か出席して、民間事業の展開についての説明をさせていただきました。平成14年の2月、ようやくCM方式活用ガイドラインができ上がりました。もうすでに印刷されて配布されているかと思います。

 また、同じく平成14年の2月14日には、CM方式導入方策調査研究会が立ち上がっており、具体的導入に向けての研究会が動いています。協会では9つのワーキンググループをつくりまして、いろいろな方面で活動しています。CM方式の取り組みの概況は以上ですが、今回のテーマは、建設業界の現況、現状というものと、CM方式ができ上がった経緯という組み立てでお話ししたいと思っています。